おんなじものが、違ってみえる 江戸と漫画とボーイズラブと

作品概要
見落とされた過去を今とつなげたい
江戸を舞台に漫画を描き続けてきた紗久楽さわが、CLAMPや手塚治虫に憧れた幼少期から、
実在する浮世絵師や歌舞伎役者をモデルにした作品を経て、江戸BLの傑作『百と卍』へと至る軌跡を振り返る。
全編語り下ろしによるインタビュー本。
2025年に完結した『百と卍』が、『このBLがやばい!2018年度版』で1位を獲得しただけでなく、
BL作品として初めて「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門で優秀賞を受賞するなど、国内外で高く評価されている漫画家・紗久楽さわ。
全編語り下ろしとなる本書では、愛してやまない江戸文化や歌舞伎、
幼少期や思春期に影響を受けた作家や作品、同人活動時代から商業漫画家へと至る歩みを振り返っていきます。
実在する浮世絵師を描いたコミックスデビュー作『当世浮世絵類考 猫舌ごころも恋のうち』、
初の長期連載となった幕末の歌舞伎俳優たちの青春劇『かぶき伊左』、猫と江戸がテーマの短編集『あだうち 江戸猫文庫』、
畠中恵の同名小説のコミカライズ『まんまこと』など、これまで手掛けた全てのコミックスを振り返りながら、
それらの作品の経験から生み出された代表作『百と卍』に込めた思いをたっぷりと語っています。
また、コミックス化されていない連作短編集『碧空切符』や、
『百と卍』より前に描かれたBL短編についても触れ、『百と卍』へと至る紗久楽の軌跡を丁寧に追います。
幼少期から強い影響を受け続けているという手塚治虫や、月代のBLを描くきっかけとなった三谷幸喜脚本の『新選組!』、
江戸文化への入口であり、紗久楽の憧れである杉浦日向子といった作家や作品について触れるだけではなく、
BLというジャンルやセクシュアルマイノリティへの思い、江戸時代をはじめ時代劇を今描くことの意味についても明かしています。
加えて、『百と卍』後の展望についても語っています。
インタビュアーはBLに造詣が深いライターの山本文子が担当。
山本の質問により、漫画家・紗久楽の思考や姿勢に深く触れられる内容となっています。
装画は紗久楽の描き下ろし、デザインは川名潤が担当しています。


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